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藝大受験の嘘みたいな本当の話①副科ピアノ

コラム

こちらでは、藝大試験で実際にあったお話を紹介いたします。

藝大の試験は、本当に大変です。

受験を経験した人のほとんどが、「もう、二度と経験したくない」といっています。

その中でも、誰にも話せないような恐ろしいことが起こることもあります。

今回は、三次試験の副科ピアノの時に、実際に起こった話です。

課題曲を弾きはじめたら、審査員に止められた

A君は、何度か浪人して、やっと三次試験までたどり着きました。

三次試験は、普通に順当に進んでいました。

その中でピアノの試験は、一年間しっかり練習もしてきたので、落ち着いて弾けば大丈夫と思っていました。

ハノンの課題は、間違えずに難なくクリア。

そして、Aくんは、ピアノの課題曲を弾きはじめました。

すると、弾きはじめるや否や、審査員が小さく声を上げました。

Aくんは何があったんだろうと思いつつも、弾き始めて止まると減点になると思い、止まらないようにピアノを弾くことに集中しました。

しかし、すぐに審査員の声は演奏を制止する大きな声となりました。

さすがの集中した状態のAくんも、これはただごとではないと、ピアノの演奏を中断しました。

中断したAくんに審査員はひとこと。

「提出した曲と違いますよ。」

ええ!そんなことが起こるの?Aくんはどうなっちゃったの?

自分で提出した曲とは違う曲を演奏していた

Aくんが提出していた曲は、あるソナタの第一楽章でした。

しかし、実際にAくんが演奏したのは、同じソナタの二楽章でした。

Aくん
Aくん

待ってください!最後まで聴いてください!!

審査員
審査員

一楽章は弾けますか?

Aくん
Aくん

弾けません…

審査員
審査員

では、試験は終了となります。

Aくん
Aくん

お願いします!最後まで弾かせてください!!!(泣)

審査員
審査員

お引き取り下さい。

※実際の藝大受験であった話です。

試験で違う曲を演奏すると…

この後、Aくんは演奏させてもらえませんでした。

かなりしぶとく、弾かせてほしいと粘ったにもかかわらず、演奏することなくピアノの試験会場から去ることに。

審査員は冷たく、「お引き取り下さい」と何度も言われたそう。

Aくん
Aくん

終わった…と思いながらも、課題曲には入っている曲だから、もしかしたら演奏させてくれるかもと思って、粘りに粘ったけど、ダメでした。

そして、最終合格発表。

最終合格発表は…

合格発表の日。

Aくんは、他の人より大変大きな不安を抱えながら、藝大の合格発表を見に、藝大へ行きました(コロナ前は、ネット発表の1時間前に藝大内の掲示板に張り出されていた)。

A君は、一縷の望みをかけて番号を探しました。

しかし、Aくんの番号はありませんでした。

Aくん
Aくん

浪人もしていたため、本当にショックでした。自分の愚かさを恨みながら、しばらく呆然として動けませんでした。

大学側の解釈

なお、大学入学共通テストについては、各学部学科(専攻)が定める教科・科目のすべてを受験することが必要であり、指定したとおりに受験していない場合は、無資格者(失格)扱いとなります。

東京藝術大学 入試サイト 学部入試 音楽学部 入試制度概要(4.選抜方法)より 

藝大の公式入試情報サイトでは、受験で課されている科目をひとつでも受験しなかった受験生は、失格になると書かれています。

ピアノの試験でピアノが弾けなかったら、違う曲を弾いてしまったら、試験を受けられなかったとして、失格になったのでしょう。

Aくん
Aくん

3回目の受験で、慣れや思い込みのようなものがあったかもしれません。

きちんと自分の目で、最新の情報を確認する

Aくんはピアノのレッスンを受けていたのかなぁ?ピアノの先生は気付くことはなかったのかなぁ?

でも、生徒の受ける学校の課題曲をチェックしている先生の方が少ないかもしれません

この曲をレッスンしてくださいと言って、レッスンに持ってくるのですから、それをレッスンした時点で、先生の役割は果たしています。

藝大のピアノ課題曲だって、いつもほとんど変わりませんが、きちんとチェックをすることが大切です。

自分の受ける年度と合っているか、最新の情報なのか?

きちんと自分で確認していれば、Aくんのような悲劇は起こりません。

気をひきしめて、いま一度チェックしたり、要項を読むようにしましょう。

Aくんの悲劇を再び起こさないよう、肝に銘じておきましょう。

少しでもこの記事が、皆さんのためになりますように!

きちんと公式ホームページをチェックしてくださいね!(^▽^)/

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