藝大の実技試験はただでさえ緊張しますよね?
喉の調子はどうかな?乾燥していないかな?うまく歌えるかな…
心配しだしたらキリがありません。
ですが、今回は、心配してもし尽くせない「時間」についての、実際にあった話です。
Bさんの場合
Bさんは、一般の大学を出てから藝大受験をしていました。
大学を出たため、働きながらの受験で、
受験するだけでも体力がいるのに、働きながらの受験は、相当に大変でした。
とにかくなんとかやっていくために、必死でした。
でも、Bさんには才能がありました。
ずっと応援し、期待してくれる先生や、前の大学の仲間がいました。
みんな受かるだろうと思っていました。
満を持して、藝大受験に臨んでいました。
時間通りに受験会場に行ったら、自分の番号が呼ばれない
一次試験はクリアし、Bさんは二次試験へ進みました。
集合時間に、集合場所の講義室(5−109)に入って待っていました。
予定の集合時間の15分前に着きました。中にはたくさんの受験生が自分の番号を呼ばれるのを待っていました。
Bさんはまだ時間があると思い、先にトイレを済ませたりしていました。
集合時間になっても番号が呼ばれず、少ししてからスタッフが番号を呼び始めました。
「声楽受験者、受験番号○○○、○○×、○○△…」
Bさんは、ん?間違ってるな。と思いました。
自分の番号が呼ばれないのです。
自分よりあとの番号が呼ばれているのです。
Bさんはスタッフのところに聞きに行きました。
私の番号が、まだ呼ばれていないんですけど…
え?受験番号は何番ですか?集合時間は何時でしたか?
スタッフの持っている資料と自分の受験番号を見合わせて、Bさんは固まりました。
集合時間から既に40分以上も経っていたのです。
思い込みほど恐ろしいものはない
なぜか、Bさんは集合時間を確認する際に、間違えた時間で思い込んでしまっていたのです。
当時の二次試験では藝大の敷地内にあるホール「奏楽堂」での試験でした(現在の声楽二次試験は、学内建物の小さいホールで行われています)。
まず、5−109に集合した10人くらいの受験生が奏楽堂に行って、リハーサル室で声出しをして、そして番号順に歌います。
移動時間、声出しの時間を除いても、もうBさんの歌うべき時間は過ぎていました。
その後のBさん
Bさんは、どうすることもできず、帰るしかありませんでした。
何がつらいかって、すごく期待して教えてくださっていた先生に、伝えるのが本当に辛かったです。すごく努力して頑張ったのに、歌うこともできなかったのが、本当に残念で、自己嫌悪に陥りました。
その後、Bさんは次の年に無事合格し、その後も優秀な成績で藝大声楽科を卒業していきました。
現在、歌手として活躍しています。今となっては笑い話ですが、当時は本当につらかったです。
まとめ
とにかく、何度も確認してしすぎることはないですね。
確認してさえいれば、防げたミスです。
みなさんも、必ず、集合時間に関しては、何度も公式ホームページで確認しましょう。
合格者発表時に一回、受験前日に一回、当日朝に一回、移動中の電車の中で一回、計4回は、自分の受験番号と一緒に確認しましょう。
この時に、本当に今年度の情報なのか、受験年度と合っているか、受験している学部・学科なのか、しっかり確認しておきましょう。
思い込みが一番こわいです。
なんせBさんも、自分が間違えているということより、スタッフの読みあげた番号が間違っていると思うほどに、自分の記憶していた時間が合っている確かな情報だと思い込んでいたのですから。
皆さんも、自分の思い込みには注意してくださいね。
しっかりチェックをして、チャンスを逃さないようにしましょう!