藝大の一次試験や二次試験で、歌っている最中にベルを鳴らされることがあります。
なぜ、最後まで聞いてくれずに途中でベルを鳴らされてしまうのでしょうか?
なんか、まずいことしちゃったのかな?
聞くに堪えなかったってこと?だって、上手かったらちゃんと最後まできいてくれるでしょ?
なぜ、歌っている途中でベルを鳴らされるのか?
これは、結論から言うと…
自分の試験の持ち時間である4分をオーバーしたから。
ただそれだけです。
志願者の演奏に与えられる時間は、次の通りである。
第一回試験 2曲合わせて、4分以内
2022年度 東京藝術大学音楽学部(声楽科)入学者選抜試験課題曲 (2021年9月3日 発表)6ページ
第二回試験 4分以内
一次試験の持ち時間は4分以内。二次試験も4分以内となっています。
その中で、日本歌曲と外国語歌曲の2曲を歌わなければなりません。
最初に歌う日本歌曲が長すぎて、外国語歌曲が少ししか歌えませんでした!
なーんてことにならないように、ベルを鳴らしてくださいます。
また、不公平にならないように決められた時間内に歌い終わるように、ひとり一律4分以内に終わるようにベルを鳴らしてくださいます。
また、先生方は数日間にわたって、何百人もの声を聴いて審査をします。
時間を決めて、正確に終わらせないと、予定の時間が押してしまいます。
受験者はすでに決められた時間に集合させられ、発声してスタンバイするようになっていますので、タイムスケジュールが狂わないよう、時間調節のためにベルの存在があります。
歌のクライマックスやいいところでベルを鳴らされると、ちょっとへこむ気持ちもわかりますが、気にしないことです。ベルを鳴らされてしまったからといって、審査には何の影響も与えません。
試験管の指示により演奏の途中で切ることがあるが,志願者の評価に不利になるものではない。
2022年度 東京藝術大学音楽学部(声楽科)入学者選抜試験課題曲 (2021年9月3日 発表)6ページ
しっかり、「不利になるものではない」と明記されてありますね!
ご自分の目でも、一度、公式ホームページから確認することをお勧めします。
また、藝大の先生方は、国内外でも一流の歌手と言われ、数々の素晴らしい共演者と歌ってきた、いわゆる一流の耳の肥えた方々ばかりです。
20歳やそこらの、まだ楽器の完成していない声を聴いたところで、「ずっと聴いていたい…」なんて思うことはない!!と断言しておきます。笑
審査に影響しないと聞いて、なんだか安心したよ!
ベルが鳴ったのに、歌い続けると?
時間でひとりひとりの演奏を区切って評価しているわけですから、ベルを鳴らしたのに歌い続ける人がいれば、当然タイムスケジュールが遅れます。
二次試験の自由曲を歌っていて、あと7秒で終わるから!カデンツァ歌わせて!!!と思っていても、そんな人が何人もいると、すごく時間が押してしまいます。
当然、先生方には良い印象は与えません。
本当に、やらないほうがいいと思います。
ベルを鳴らされても歌い続けるのではなく、ベルを鳴らされずに歌う方向性でいきましょう!
途中で切られたら、審査に影響はないことは分かったけど…
終わってからあれこれ考えてしまって、不安になりそうでいやだよう!
ベルを鳴らさせない方法
ベルを鳴らさせない方法は、いたってシンプルです。
時間内に終わる曲を選ぶことです。
簡単ですね。笑
私の場合は、二次試験の自由曲は絶対に最後まで歌いたいと思っていたので、持ち時間は4分以内ですが、絶対に切られない3分35秒になる曲を選びました。
逆に、一次試験は特に何も考えず、自分の良さが出る曲を選び、歌っている途中で切られたこともあります。
制限時間いっぱい歌えばいいってものではないので、時間内に自分の持っている力を出せる曲を選べばいいのです。
まず、自分がどうしたいかということを考えてください。
ベルを鳴らされても自分の気持ち的に大丈夫か、曲の最後のここは歌いたい!などあるか自分の気持ちを明確にしておきます。
また、最初に歌ってみた段階で時間に収まる曲でも、歌いこんでいくうちにテンポが変わってくることもあります。
テンポが早くなればその分、時間も縮まりますが、ゆっくりになった時は要注意です。
4分に収まらなくなってしまうこともあるので、その場合は、前奏部分を少しカットするか、間奏部分、もしくは後奏をカットすることもできます。
または、繰り返し部分を歌わないなど、いろいろ考えられます。
ただ、慣習的に「ここはカットできない」という部分が曲によってはあるので、自分の判断だけで勝手に決めるのではなく、自分で一度カット案を考えてから、自分の歌の先生に相談することをお勧めします。
先生によっては、時間のことを気にされない方もいらっしゃると思うので、自分でしっかり演奏時間を定期的に測りましょう。
まとめ
ただし、試験の審査に入っている先生方も間違えて早く切ってしまうことや、ベルを鳴らすのを忘れてしまうこともあるので、試験に絶対ということはありません。
また、何十年も試験の演奏時間は変わっていないとはいえ、変わる可能性もあるので、きちんと自分の目で公式に出ている情報を確認しておくことが大切です。
この記事が皆さんの役に立つと嬉しいです(^▽^)/